期間限定「DFF」、「DdFF」、「FF8」妄想だだ漏れブログ。
の筈が「進撃の巨人」にも手を出した腐のブログ。
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荒い息で駆け巡るオニオンナイト。
ここは彼の宿敵である暗闇の雲の存在する場所だ。
しかし、今彼が体勢を整え、時に魔法を繰り出しながら翻弄しているのはかの相手ではない。
スコール・レオンハート。
カオスの一員である彼はオニオンの考えていたよりもずっと俊敏に動く相手だった。
時に空間を変え、ほのかに光るスロープの様なそれを使って彼の上空へ移動し、巨大な炎の魔法を発現させる。
「…っ、燃えちゃえ!」
腕を勢いよく振り、彼の立つ足場をめがけて飛んだ火の玉は確実にスコールを捉えた。
勢いよく爆発するそれに吹き上がる熱風。
アシストをしていたラグナ、彼等と共に行動していたフリオニールがその熱さから身を守るように腕で顔を庇う。
「やった、か?」
熱風の中でそう確認するフリオニールに、オニオンも彼に一矢報いたと確信した。
しかし、
「うぉぁ!」
ラグナの焦りすぎた叫び声に二人がスコールのいた場所を再び見た瞬間。
「弾けろ」
ひやりとする程に冷静な声がオニオンの眼前に突きつけられる。
「!」
円形の炎に炸裂する音。
確実にスコールの攻撃はオニオンを狙っていた。
「オニオン!」
フリオニールの咄嗟の声が何故か静かにはっきりと爆音の中から聞こえた。
一体どうやって彼はオニオンの放った魔法から身を守ったのか。
そう思う暇すらなく、スコールの攻撃はオニオンに相当な深手を与えた。
薬莢の飛び交う、煙幕の中にオニオンナイトはかろうじて立っていた。
しかし、彼のトレードマークの様な赤い兜はどこかに飛び去り、体を庇った両腕にはいくつもの深い火傷が夥しく広がっていた。
「当たれ!」
煙幕の中の彼をようやく発見したフリオニールが怒りに任せてスコールめがけて矢を放った。
その瞬間。
「!?」
彼の右胸から深紅の液体がまっすぐに軌跡を描いて飛び散った。
ちょうどスコールを挟んだ先にいたラグナが手持ちの銃で彼の動きを止めたのだ。
怯み、足元がおぼつかなくなりそうな体を何とか持ちこたえているスコールに、
「フリオ!」
ラグナの声で放たれたフリオニールの魔法でスコールの体は足元から一気に氷に固定される。
胸元まで氷に固められ、もがく勢いすら失いそうになるスコール。
その様子をやっと意識がはっきりしてきたオニオンナイトが見上げる。
闇色に染まった眼の勢いがまるでスイッチが切れたようにみるみるなくなってゆく。
「大丈夫か?」
「うん、何とか」
そう答えるオニオンだが、深い傷や火傷は確実に彼の動作から素早さを奪っている。
「ほい」
フリオニールの後から警戒を解ききらないままにやってきたラグナが、手持ちのポーションをオニオンに渡し、
「ありがとう」
さすがにオニオンも現状を解っているのか、無理をする事無く彼の渡してきたポーションを使う。
「眠った、みたいだな」
「動きを止めるだけで3人がかりか」
スコールの深い闇をたたえた目が瞼で閉ざされ、ようやく深く息を吐いたラグナに、フリオニールが疲労に満ちた声で同じくため息を零す。
彼等は偶然スコールと戦っていたわけではない。
複数のメンバーでパーティを組み、いつ襲撃にあっても最悪敵から逃げる事が出来る様にしていたコスモス軍。
その中で偶然スコールを見つけた3人は、彼をそのまま尾行し、隙を見て一気に攻撃に出たのだった。
足の速いオニオンナイトを囮兼メイン相手として、残りの二人でアシストしながら彼の動きを止める。
しかし、スコールの攻撃は的確かつ、決して焦って戦う事をしない。
相手の動きをきっちりと読み、それを把握して返す。
それによりオニオンによる攪乱は厳しさを増し、彼が深手を負う事でようやく勝機を見出し彼を止める事に成功した。
「とにかくウォーリアに報告だな」
「そうだね」
彼には数々の仲間達を倒された恨みがある。
しかし、彼等コスモス軍のリーダーは何故か「スコールを倒せ」とは言わなかった。
「動きを止めろ」とだけ。
一体、彼にどんな策があるのだろうか。
そもそも策を巡らせるには似合わない彼の言葉に、他の仲間達も、オニオン達も戸惑った。
それでも彼が仲間達に不利益になる事はしない。
これまでの彼の言動を信じ、3人はスコールの動きを止め、その命を奪う事はしなかったのだ。
「オニオン、頼めるか?」
さっきポーションで治療してきついかもしれないが、と心配そうなフリオニールに、
「大丈夫だよ。僕の方が皆より足が速いからね」
にっこりと笑い、彼の気遣いを受け止めた。
「気を付けろよ」
「解ってるよ、ラグナ。じゃ、行ってきます」
そう残し、ぱたぱたと駆け出したオニオン。
少々心配そうにその後ろ姿を見つめるフリオニールと、再びスコールを見上げるラグナ。
相変わらず彼は愛剣ごと氷に閉ざされている。
その姿を見ながら、
「――」
何かを言いたそうにし、視線を外す。
その様子を見ていた者がいる。
彼等から随分離れた場所に立つ柱の上に、彼女は優雅に腰掛けていた。
妖艶な笑みを浮かべて彼等を見ながら、
「さぁ、私の為に踊りなさい」
そう残して黒い羽を浮かばせてこの空間から消え去った。
ラグナロク 3へ
ここは彼の宿敵である暗闇の雲の存在する場所だ。
しかし、今彼が体勢を整え、時に魔法を繰り出しながら翻弄しているのはかの相手ではない。
スコール・レオンハート。
カオスの一員である彼はオニオンの考えていたよりもずっと俊敏に動く相手だった。
時に空間を変え、ほのかに光るスロープの様なそれを使って彼の上空へ移動し、巨大な炎の魔法を発現させる。
「…っ、燃えちゃえ!」
腕を勢いよく振り、彼の立つ足場をめがけて飛んだ火の玉は確実にスコールを捉えた。
勢いよく爆発するそれに吹き上がる熱風。
アシストをしていたラグナ、彼等と共に行動していたフリオニールがその熱さから身を守るように腕で顔を庇う。
「やった、か?」
熱風の中でそう確認するフリオニールに、オニオンも彼に一矢報いたと確信した。
しかし、
「うぉぁ!」
ラグナの焦りすぎた叫び声に二人がスコールのいた場所を再び見た瞬間。
「弾けろ」
ひやりとする程に冷静な声がオニオンの眼前に突きつけられる。
「!」
円形の炎に炸裂する音。
確実にスコールの攻撃はオニオンを狙っていた。
「オニオン!」
フリオニールの咄嗟の声が何故か静かにはっきりと爆音の中から聞こえた。
一体どうやって彼はオニオンの放った魔法から身を守ったのか。
そう思う暇すらなく、スコールの攻撃はオニオンに相当な深手を与えた。
薬莢の飛び交う、煙幕の中にオニオンナイトはかろうじて立っていた。
しかし、彼のトレードマークの様な赤い兜はどこかに飛び去り、体を庇った両腕にはいくつもの深い火傷が夥しく広がっていた。
「当たれ!」
煙幕の中の彼をようやく発見したフリオニールが怒りに任せてスコールめがけて矢を放った。
その瞬間。
「!?」
彼の右胸から深紅の液体がまっすぐに軌跡を描いて飛び散った。
ちょうどスコールを挟んだ先にいたラグナが手持ちの銃で彼の動きを止めたのだ。
怯み、足元がおぼつかなくなりそうな体を何とか持ちこたえているスコールに、
「フリオ!」
ラグナの声で放たれたフリオニールの魔法でスコールの体は足元から一気に氷に固定される。
胸元まで氷に固められ、もがく勢いすら失いそうになるスコール。
その様子をやっと意識がはっきりしてきたオニオンナイトが見上げる。
闇色に染まった眼の勢いがまるでスイッチが切れたようにみるみるなくなってゆく。
「大丈夫か?」
「うん、何とか」
そう答えるオニオンだが、深い傷や火傷は確実に彼の動作から素早さを奪っている。
「ほい」
フリオニールの後から警戒を解ききらないままにやってきたラグナが、手持ちのポーションをオニオンに渡し、
「ありがとう」
さすがにオニオンも現状を解っているのか、無理をする事無く彼の渡してきたポーションを使う。
「眠った、みたいだな」
「動きを止めるだけで3人がかりか」
スコールの深い闇をたたえた目が瞼で閉ざされ、ようやく深く息を吐いたラグナに、フリオニールが疲労に満ちた声で同じくため息を零す。
彼等は偶然スコールと戦っていたわけではない。
複数のメンバーでパーティを組み、いつ襲撃にあっても最悪敵から逃げる事が出来る様にしていたコスモス軍。
その中で偶然スコールを見つけた3人は、彼をそのまま尾行し、隙を見て一気に攻撃に出たのだった。
足の速いオニオンナイトを囮兼メイン相手として、残りの二人でアシストしながら彼の動きを止める。
しかし、スコールの攻撃は的確かつ、決して焦って戦う事をしない。
相手の動きをきっちりと読み、それを把握して返す。
それによりオニオンによる攪乱は厳しさを増し、彼が深手を負う事でようやく勝機を見出し彼を止める事に成功した。
「とにかくウォーリアに報告だな」
「そうだね」
彼には数々の仲間達を倒された恨みがある。
しかし、彼等コスモス軍のリーダーは何故か「スコールを倒せ」とは言わなかった。
「動きを止めろ」とだけ。
一体、彼にどんな策があるのだろうか。
そもそも策を巡らせるには似合わない彼の言葉に、他の仲間達も、オニオン達も戸惑った。
それでも彼が仲間達に不利益になる事はしない。
これまでの彼の言動を信じ、3人はスコールの動きを止め、その命を奪う事はしなかったのだ。
「オニオン、頼めるか?」
さっきポーションで治療してきついかもしれないが、と心配そうなフリオニールに、
「大丈夫だよ。僕の方が皆より足が速いからね」
にっこりと笑い、彼の気遣いを受け止めた。
「気を付けろよ」
「解ってるよ、ラグナ。じゃ、行ってきます」
そう残し、ぱたぱたと駆け出したオニオン。
少々心配そうにその後ろ姿を見つめるフリオニールと、再びスコールを見上げるラグナ。
相変わらず彼は愛剣ごと氷に閉ざされている。
その姿を見ながら、
「――」
何かを言いたそうにし、視線を外す。
その様子を見ていた者がいる。
彼等から随分離れた場所に立つ柱の上に、彼女は優雅に腰掛けていた。
妖艶な笑みを浮かべて彼等を見ながら、
「さぁ、私の為に踊りなさい」
そう残して黒い羽を浮かばせてこの空間から消え去った。
ラグナロク 3へ
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