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期間限定「DFF」、「DdFF」、「FF8」妄想だだ漏れブログ。 の筈が「進撃の巨人」にも手を出した腐のブログ。 初めての方はカテゴリーの『first』をご覧下さい。
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本当はちゃんと覚えていた。
あの世界での戦いも、共にいた仲間たちの事も、あなたの事も。
ただ、それがずっと今日まで認識できなかっただけ。
その証拠に、スコールの記憶は湧き立つ水のように「12回目の輪廻」を脳内で再生してゆく。
共に旅をし、「のばら」を拾ったことも、「もっと仲間を信じ、世界を広げるべき」だと、相変わらずの口調と間違いの混じった言葉で語ったことも。
そして、あるとき。
彼と別れ、別の仲間達と探索を続ける事になったあの日、二度と彼に会えなくなってしまったこと。
まぎれもない過去がみるみるうちに記憶に蘇る。
少しだけ苦しい。
それはラグナにきつく抱きしめられているせいだけではなかった。
「ごめん、またお前を置き去りにした」
絞り出すような懺悔が深く胸を抉るようだ。
「本当に、ごめんな」
あの時の戦いは、ラグナを含む「彼ら」の想いと犠牲の上に成り立っていた。
ラグナの言葉によって思い出された記憶とともに、自分達があの「神々の戦い」を終わらせる意味を改めて深く感じ取ったスコールは、腕の中の存在が決して消えない事を叩き込むように理解すべく、ただきつく握りしめるラグナに、
「謝らなくていい」
その声をきっかけにゆるんだ腕の力に任せ、そのまま少しずつ体を離しながら、
「俺達が戦いを終わらせる事が出来て良かった」
「スコール?」
心配そうなラグナの声が何だかとても懐かしく感じる。
ああ、あの戦いの場でもこうやって皆を、自分を心配してくれた。
「だから今こうやってアンタと一緒にいられる」
だから、謝らなくていいんだ。
「ありがとう」
「スコール、それって」
スコールの少しだけたどたどしい感謝の言葉に、ついていけなかったラグナだが、小さな安堵の息を零し、
「お前こそ、ありがとな」
戦いを終わらせてくれて、またここに戻ってきてくれて。
「皆、今どうしてるんだろうなぁ」
急にいつもの軽い口ぶりが戻るも、そこにはやはりあの戦いの最中と同じ、仲間を思うラグナがいる。
「な、スコール。皆も会いたい奴にちゃんと「ただいま」言えてるよな」
ぽんぽんとスコールの背を軽く叩きながら、目線を窓に、何処とも知れぬ場所を見るかのように細める。
彼はいつもそうやって年長の一人であることを悟られずに、自然にサポートしていた。
改めて仲間を影ながら纏めていた彼のポジションと、この世界での彼の言動を思い出し、何だかとても心がやわらかく安らいでいくのを感じる。
今も、「異世界」でも、彼に本当は守られていた。
「大丈夫だろ」
信じるのは得意だろ?とかすかに緩めた目尻で伝えれば、自然にその思いが繋がる。
こうして触れ合い、言葉を交わせるのも貴方達の決意のおかげだから。
安らぎと共に切ないほどにあたたかい思いに包まれながら、もう会えない仲間達の幸せを、ただ願った。
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