期間限定「DFF」、「DdFF」、「FF8」妄想だだ漏れブログ。
の筈が「進撃の巨人」にも手を出した腐のブログ。
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秩序の聖域。
その名のとおり、少しだけひやりとした清浄な空気に満たされた場所。
「ひずみ」と呼ばれる「場」を探索し続ける秩序の戦士達の一人であるスコールが、珍しく探索を中断したのには訳がある。
途中で合流したライトニングに「手合わせ」を頼まれたのだ。わずかに思い出した記憶を元に自己紹介をしてくれた際、彼女は現役の軍人である事を告げていた。スコールも傭兵として己の技を磨いてきた記憶があるため、似たような立場を感じたと同時に、実力者の一人である相手との手合わせはある種興味深いものと感じていた。
しかし、彼女は意外な面を持っていた。
それを心底思い知ったのはスコールではなかったが。
軽々としたジャンプを繰り返し、自分の放つ技を避けながら肉薄する剣捌き。その名に相応しく雷系の魔法を組み合わせた攻撃が的確にスコールを狙い打つ。
勿論スコールもその動きや彼女の動作を観察しながら魔法を放ち、弾幕を張ってゆく。相手がそれにひるむなど到底思っていないが、少しでもこちらの動きを読みづらく出来るならそれに越した事はない。
「どこを見ている!」
鋭い声と共に振り下ろされる攻撃は弾幕を切り裂く。しかしバックステップでわずかに距離を開け、
「これで、終わりだ!」
魔力を帯びた剣先を着地する彼女に向けて走り出す。それをギリギリ避けきった彼女の手には水魔法が練られている。
いつの間にオプティマをブラスターに変えていたのか、まさに目の前に浮かび上がったその巨大な水魔法を食らい、スコールの視界は全てそれに塞がれてしまった。
そして再び雷撃が襲う。今度こそ逃げ切る事は出来なかった。
手合わせと言ったが、お互い真剣さは宿敵と出会った時と変わらない。スコールもライトニングもそれを望んで戦っている。
しかして今、その決着がついた。
「うぁぁぁ・・・・・!」
雷撃により吹き飛ばされた体を何とか整えるも、着地でバランスを崩してしまうスコール。
「スコール、大丈夫か」
そんな彼に近づき、すっと白い手が伸ばされる。見上げれば「少しやり過ぎたか」といった、心配するような視線が己を見つめていた。
「ああ」
その手を取る事無く立ち上がり、手の中にかろうじて残っていた剣を異空間へ消し去れば、
「なら良い。良い勉強になった」
別段彼の行動に気分を害する事も無く、いつものクールな彼女が同じように剣を手の中から消滅させる。
「聞いたとおりだな、思わず本気で戦ってしまった」
「?」
『聞いたとおり、だ?何を、誰に?』
スコールの肩に手を遣り、小さく治癒魔法を呟くと、やわらかな光がスコールを包み込む。ライトニングの発動した「ケアル」がスコールの疲労を先程いくつも作った怪我と一緒に消し去ってゆく。
「ラグナだ」
スコールの目線で彼の伝えたい事を読み取ったのだろう。わずかに視線を上げ、スコールの顔を覗きながら、
「傭兵をしていたから戦い慣れてると。ずいぶん褒めてたな」
と、不意に伸ばされた手が彼の深い黒茶の髪を梳いてゆく。先程戦っていた人物とは思えないほど丁寧な仕草。
スコールと言えば、いきなり普段の彼女からはなかなか見る事は無いであろう行動が、まさか自分相手に行われるとは思いもよらず。
彼女の台詞を理解するどころではなくなってしまった。
『俺は子供か?と言うより何故ライトニングがこんな事をする?オニオンにすらこんな事をするところ見た事無いぞ』
冷静になればただ相手の髪を梳きつつ、頭を撫でているだけだ。
しかし、母性の強そうな優しい言動の目立つティファや女の子らしい細やかな気遣いの得意なユウナとは訳が違う。相手は常にクールビューティーを地で行くライトニングだ。
そして、スコールは殊更子ども扱いを嫌う子供だった。
その手がゆっくりとスコールの頬に伸ばされる。そのままゆっくりと頬を撫で、
「綺麗な目だな」
まっすぐに視線を合わされ、気がつけばずいぶんと距離が近くなってる。いや、近すぎる。
すっかり固まってしまったスコールにゆっくりと近づく彼女の顔。
と、
「ライトニング!ストップ、スト~ップ!!」
二人の激しい手合わせを見学していたラグナが二人の間に割り込んだ。それも思い切り両手を使って引き離す。大人気ないことこの上ないこの男の行動に、流石にやりすぎたかと思いながらも楽しくて仕方が無いのだろう。クスリとライトニングが笑みをこぼす。
「本当だな。ちょっとスコールを構っただけで飛んでくるとは聞いてたが」
「ちょ、俺からかわれたの!?」
引き離した手をそのままスコールに絡みつけ、ライトニングを悔しそうに見るも、
「ま、今日はここまでにしてやる」
相変わらず楽しそうなライトニングは、再びスコールを見、珍しくにっこりと口角を上げて笑い、
「今度はもう少しゆっくり相手をしてもらうからな」
「駄目!スコールは俺の!」
ラグナの腕の中のスコールは未だ現状について行けず固まったままだ。
『ライトニングは手合わせの事を言ったんだろ?しかし、珍しいものを見た』
何とか思考を整理するスコールに、
「さて、少し休んでからこの先のひずみにいくぞ」
さっきまでの様子が嘘のように踵を返す彼女。
相変わらずラグナはスコールを離さない。それどころか腕の力はなおも強くなるばかりだ。
「ラグナ、そろそろ離せ」
地を這うようなスコールの声に、一瞬びくっと肩が上がる。
「いくぞ」
「・・・おう」
やっと開放されたもつかの間。
「でもお前は俺のだからな」
子供のようにふてくされている様で目線だけは真剣な彼に思わず溜息がこぼれる。
『一体何なんだ、二人とも』
戦いの合間の小さな悪戯。
それはまだ始まったばかりだった。
その名のとおり、少しだけひやりとした清浄な空気に満たされた場所。
「ひずみ」と呼ばれる「場」を探索し続ける秩序の戦士達の一人であるスコールが、珍しく探索を中断したのには訳がある。
途中で合流したライトニングに「手合わせ」を頼まれたのだ。わずかに思い出した記憶を元に自己紹介をしてくれた際、彼女は現役の軍人である事を告げていた。スコールも傭兵として己の技を磨いてきた記憶があるため、似たような立場を感じたと同時に、実力者の一人である相手との手合わせはある種興味深いものと感じていた。
しかし、彼女は意外な面を持っていた。
それを心底思い知ったのはスコールではなかったが。
軽々としたジャンプを繰り返し、自分の放つ技を避けながら肉薄する剣捌き。その名に相応しく雷系の魔法を組み合わせた攻撃が的確にスコールを狙い打つ。
勿論スコールもその動きや彼女の動作を観察しながら魔法を放ち、弾幕を張ってゆく。相手がそれにひるむなど到底思っていないが、少しでもこちらの動きを読みづらく出来るならそれに越した事はない。
「どこを見ている!」
鋭い声と共に振り下ろされる攻撃は弾幕を切り裂く。しかしバックステップでわずかに距離を開け、
「これで、終わりだ!」
魔力を帯びた剣先を着地する彼女に向けて走り出す。それをギリギリ避けきった彼女の手には水魔法が練られている。
いつの間にオプティマをブラスターに変えていたのか、まさに目の前に浮かび上がったその巨大な水魔法を食らい、スコールの視界は全てそれに塞がれてしまった。
そして再び雷撃が襲う。今度こそ逃げ切る事は出来なかった。
手合わせと言ったが、お互い真剣さは宿敵と出会った時と変わらない。スコールもライトニングもそれを望んで戦っている。
しかして今、その決着がついた。
「うぁぁぁ・・・・・!」
雷撃により吹き飛ばされた体を何とか整えるも、着地でバランスを崩してしまうスコール。
「スコール、大丈夫か」
そんな彼に近づき、すっと白い手が伸ばされる。見上げれば「少しやり過ぎたか」といった、心配するような視線が己を見つめていた。
「ああ」
その手を取る事無く立ち上がり、手の中にかろうじて残っていた剣を異空間へ消し去れば、
「なら良い。良い勉強になった」
別段彼の行動に気分を害する事も無く、いつものクールな彼女が同じように剣を手の中から消滅させる。
「聞いたとおりだな、思わず本気で戦ってしまった」
「?」
『聞いたとおり、だ?何を、誰に?』
スコールの肩に手を遣り、小さく治癒魔法を呟くと、やわらかな光がスコールを包み込む。ライトニングの発動した「ケアル」がスコールの疲労を先程いくつも作った怪我と一緒に消し去ってゆく。
「ラグナだ」
スコールの目線で彼の伝えたい事を読み取ったのだろう。わずかに視線を上げ、スコールの顔を覗きながら、
「傭兵をしていたから戦い慣れてると。ずいぶん褒めてたな」
と、不意に伸ばされた手が彼の深い黒茶の髪を梳いてゆく。先程戦っていた人物とは思えないほど丁寧な仕草。
スコールと言えば、いきなり普段の彼女からはなかなか見る事は無いであろう行動が、まさか自分相手に行われるとは思いもよらず。
彼女の台詞を理解するどころではなくなってしまった。
『俺は子供か?と言うより何故ライトニングがこんな事をする?オニオンにすらこんな事をするところ見た事無いぞ』
冷静になればただ相手の髪を梳きつつ、頭を撫でているだけだ。
しかし、母性の強そうな優しい言動の目立つティファや女の子らしい細やかな気遣いの得意なユウナとは訳が違う。相手は常にクールビューティーを地で行くライトニングだ。
そして、スコールは殊更子ども扱いを嫌う子供だった。
その手がゆっくりとスコールの頬に伸ばされる。そのままゆっくりと頬を撫で、
「綺麗な目だな」
まっすぐに視線を合わされ、気がつけばずいぶんと距離が近くなってる。いや、近すぎる。
すっかり固まってしまったスコールにゆっくりと近づく彼女の顔。
と、
「ライトニング!ストップ、スト~ップ!!」
二人の激しい手合わせを見学していたラグナが二人の間に割り込んだ。それも思い切り両手を使って引き離す。大人気ないことこの上ないこの男の行動に、流石にやりすぎたかと思いながらも楽しくて仕方が無いのだろう。クスリとライトニングが笑みをこぼす。
「本当だな。ちょっとスコールを構っただけで飛んでくるとは聞いてたが」
「ちょ、俺からかわれたの!?」
引き離した手をそのままスコールに絡みつけ、ライトニングを悔しそうに見るも、
「ま、今日はここまでにしてやる」
相変わらず楽しそうなライトニングは、再びスコールを見、珍しくにっこりと口角を上げて笑い、
「今度はもう少しゆっくり相手をしてもらうからな」
「駄目!スコールは俺の!」
ラグナの腕の中のスコールは未だ現状について行けず固まったままだ。
『ライトニングは手合わせの事を言ったんだろ?しかし、珍しいものを見た』
何とか思考を整理するスコールに、
「さて、少し休んでからこの先のひずみにいくぞ」
さっきまでの様子が嘘のように踵を返す彼女。
相変わらずラグナはスコールを離さない。それどころか腕の力はなおも強くなるばかりだ。
「ラグナ、そろそろ離せ」
地を這うようなスコールの声に、一瞬びくっと肩が上がる。
「いくぞ」
「・・・おう」
やっと開放されたもつかの間。
「でもお前は俺のだからな」
子供のようにふてくされている様で目線だけは真剣な彼に思わず溜息がこぼれる。
『一体何なんだ、二人とも』
戦いの合間の小さな悪戯。
それはまだ始まったばかりだった。
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