期間限定「DFF」、「DdFF」、「FF8」妄想だだ漏れブログ。
の筈が「進撃の巨人」にも手を出した腐のブログ。
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大晦日の大統領官邸。
後少しで年明けを迎えようとする頃、その執務室では部屋の主が机に突っ伏して仮眠を取っていた。
新年の挨拶を控え、慌しく過ぎる年末の日々に追われるままのラグナはこの日、とうとう自宅に帰ることを諦めた。
仕事を切りのいいところまで片付け、軽い食事を取り、後は執務室横に備え付けられている仮眠スペースでシャワーを浴びて寝るだけだが、その仮眠スペースに行く手前で睡魔に負けてしまった。
と、ふわりとあたたかな毛布が掛けられる。
「スコール・・・?」
いつの間にか自分の横に立ち、手にしていた毛布を自分に掛けてくれた青年を、眠い目をこすりながら見上げれば、
「エルオーネに呼ばれたんだ」
と、ぽつりと聞いていない返事が耳に届いた。
そういえば。
(昨日からスコールが家に帰ってきてたんだった。)
「エルに?」
「おじ様の面倒をみてやって、だと」
多分、なかなか執務室から出られない状況を知り、普段すぐに会って話が出来る状況ではない二人を思い、エルオーネが気を利かせてくれたのだろう。
「そっか・・・」
昨日からエスタに、自宅にスコールが居るのに、なかなか話をする事も、それどころかちゃんと顔を合わせる事も出来ない状況だった分、今のラグナにはちょっとしたご褒美のような気分だ。
「もう、仕事は片付いているんだろ?」
キロスから聞いてるぞ、と少しだけ心配の混じった声がラグナに尋ねる。このちょっとした穏やかな声だけでも十分ラグナの癒しになっている。
「ああ、後は新年の挨拶とか、って」
言葉を遮るようにスコールの目線が上を向く。そこにはすでに年越しを示す時計が。
「あ、もう年越してた」
「そうだな」
いつの間にそんなに自分はまどろんでいたのだろう。ようやく頭を起こしたラグナに、
「とりあえず今のうちに風呂入って寝ろ。起こしてやるから」
小さな溜息を言葉で隠すように、まるで子供に言うかのような口ぶりのスコールだが、ふいに、
「あけましておめでとう、ラグナ」
軽く髪を撫でるようにラグナに触れた手。珍しく皮手袋の無いその手の優しい動きと、掛けられた言葉に一瞬胸が詰まる。
こんな風に、穏やかな気持ちで年越しを迎えた事はあっただろうか。
年明け一番に大切な相手に心配されて、自分は今こんなにも幸せだと深く強くかみ締める。
「おめでとう、スコール」
自然にふわりとこぼれた笑みに、スコールもつられて微笑む。
口角を上げて、少しだけ目元の優しい笑みを浮かべる彼のもう片手を掴んで引き寄せる。
その動きにスコールも逆らう事無く自然に従い、ラグナに抱きしめられる。
軽くラグナの頭を抱き寄せるようにすれば、自然と背に回された腕が強くスコールを抱きしめる。
「もうちょっとだけこうさせて」
こんな風に、穏やかで優しい時間をもう少しだけ。
「今年もよろしくな」
今年も彼とこうして穏やかな時間を過ごしていけますように。
腕の中の彼のぬくもりを感じながら、そうラグナは願った。
後少しで年明けを迎えようとする頃、その執務室では部屋の主が机に突っ伏して仮眠を取っていた。
新年の挨拶を控え、慌しく過ぎる年末の日々に追われるままのラグナはこの日、とうとう自宅に帰ることを諦めた。
仕事を切りのいいところまで片付け、軽い食事を取り、後は執務室横に備え付けられている仮眠スペースでシャワーを浴びて寝るだけだが、その仮眠スペースに行く手前で睡魔に負けてしまった。
と、ふわりとあたたかな毛布が掛けられる。
「スコール・・・?」
いつの間にか自分の横に立ち、手にしていた毛布を自分に掛けてくれた青年を、眠い目をこすりながら見上げれば、
「エルオーネに呼ばれたんだ」
と、ぽつりと聞いていない返事が耳に届いた。
そういえば。
(昨日からスコールが家に帰ってきてたんだった。)
「エルに?」
「おじ様の面倒をみてやって、だと」
多分、なかなか執務室から出られない状況を知り、普段すぐに会って話が出来る状況ではない二人を思い、エルオーネが気を利かせてくれたのだろう。
「そっか・・・」
昨日からエスタに、自宅にスコールが居るのに、なかなか話をする事も、それどころかちゃんと顔を合わせる事も出来ない状況だった分、今のラグナにはちょっとしたご褒美のような気分だ。
「もう、仕事は片付いているんだろ?」
キロスから聞いてるぞ、と少しだけ心配の混じった声がラグナに尋ねる。このちょっとした穏やかな声だけでも十分ラグナの癒しになっている。
「ああ、後は新年の挨拶とか、って」
言葉を遮るようにスコールの目線が上を向く。そこにはすでに年越しを示す時計が。
「あ、もう年越してた」
「そうだな」
いつの間にそんなに自分はまどろんでいたのだろう。ようやく頭を起こしたラグナに、
「とりあえず今のうちに風呂入って寝ろ。起こしてやるから」
小さな溜息を言葉で隠すように、まるで子供に言うかのような口ぶりのスコールだが、ふいに、
「あけましておめでとう、ラグナ」
軽く髪を撫でるようにラグナに触れた手。珍しく皮手袋の無いその手の優しい動きと、掛けられた言葉に一瞬胸が詰まる。
こんな風に、穏やかな気持ちで年越しを迎えた事はあっただろうか。
年明け一番に大切な相手に心配されて、自分は今こんなにも幸せだと深く強くかみ締める。
「おめでとう、スコール」
自然にふわりとこぼれた笑みに、スコールもつられて微笑む。
口角を上げて、少しだけ目元の優しい笑みを浮かべる彼のもう片手を掴んで引き寄せる。
その動きにスコールも逆らう事無く自然に従い、ラグナに抱きしめられる。
軽くラグナの頭を抱き寄せるようにすれば、自然と背に回された腕が強くスコールを抱きしめる。
「もうちょっとだけこうさせて」
こんな風に、穏やかで優しい時間をもう少しだけ。
「今年もよろしくな」
今年も彼とこうして穏やかな時間を過ごしていけますように。
腕の中の彼のぬくもりを感じながら、そうラグナは願った。
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