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期間限定「DFF」、「DdFF」、「FF8」妄想だだ漏れブログ。 の筈が「進撃の巨人」にも手を出した腐のブログ。 初めての方はカテゴリーの『first』をご覧下さい。
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コヨコヨ。
つぶらな瞳が愛らしい、青い体の召喚獣。
スコールはその召喚獣に何故か親近感のようなものをもっていた。

装備の確認として手の中に召喚石をいくつか呼び出す。
赤いそれらの中に一つだけスコールがいつも手放さない彼がいる。
「それって。コヨコヨか?」
ひょいと覗き込まれ、びっくりして振り向けば案の定、ラグナが面白そうにスコールを見ていた。
「・・・・・・ああ」
「へ~。そういえばスコール、結構コヨコヨ使うよな」
手の中にあるコヨコヨの召喚石をさっと奪われるも、他にもいくつか取り出してしまったため、スコールの手は空きそうにない。
「っと、呼んじゃった」
ラグナの足元に気付けば小さな手で縋り付くコヨコヨがちょこんと立っていた。
「エリクサー、ちょうだい」
少々おどおどとしながらもここが戦いの最中ではないと分かったのだろう。お決まりの要求をする小さな宇宙人に、
「ちょーっと待ってろー」
ごそごそとアイテムの入った袋を呼び出し、その中からエリクサーを探し出す。
「待て、それはみんなのアイテムじゃないのか!?」
「大丈夫だって」
と、1本だけ色味の違うビンを見つけ出し、未だにラグナから離れないコヨコヨの目の前にそれを見せ、
「ほい」
「ラグナ、ありがとう!」
そう残すとぎゅっと大事そうにエリクサーのビンを抱きしめてコヨコヨはけむりの様に消え去り、元の召喚石に戻ってしまった。
「ラグナ、アンタ何勝手な事してるんだ」
一気に眉間の皺を増してしまったスコールに、
「大丈夫だって言ったろ?アレ、この間の戦いでドロップしたヤツでまだ皆のアイテム袋に入れてない物だから」
つまりはラグナ個人のもの。
それを聞き、一気に気が抜けたスコールだったが、それでもつい念のための忠告をしてしまう。
「だが貴重品だろう」
「でもご褒美は要るだろ?あいつらだって戦いに力貸してくれてるんだから」
と、手にあったアイテム袋を消し去り、スコールに向き直り、
「お前が黙っててくれりゃ問題なし。な?」
と、いつの間にかスコールの手から零れ落ちていた召喚石を拾い集める。
「・・・今回だけだぞ」
ラグナの子供の様な言葉に、嫌味の一つも出てこない。
そんな彼にすっかり慣れてしまっているスコールだが、本人はその自覚が未だなかった。
ただ、なぜ彼が周りに好かれているのか。
その片鱗だけは見られたのかもしれない。
それすらもスコールが理解するのはまだまだ先の話。
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何時かの輪廻。
「秩序の聖域」に一人の少女がすやすやと健康的な寝息を立てていた。
いつも女神が座っている三日月を模した様な台座の上にいる少女をあきれた目で見つめながら、ガンブレードのグリップを固く握りしめていた手の力を軽く弛めた。
と、
「おーい、プリッシュ」
スコールの逆方向、ちょうど彼女を挟んで反対側から同じように覗き込んだラグナが面白半分のように声をかけた。
勿論起こすためではない、単なる悪戯だ。
「よくこんなところで眠れるな」
敵の気配はなく、そもそも滅多にカオスの駒の連中がここに立ち入ることは少ない。
しかし、それを差し引いてもこの状況はあまりにも危険すぎるのではないか。
油断しすぎている。
スコールは思わず片手で頭を抱えてしまった。
いくら彼女が戦い慣れており、シャントット曰く、「戦う事に関してなら何も心配していない」と一言で片付けたにせよ、さすがにこれは無いのではないか。
かすかな衣擦れに近い音を立てて剣を消し去り、小さなため息をつくスコールに、
「ま、これだけ爆睡してるってことは、しばらくは俺達もゆっくりできるってことじゃねぇの?」
と、台座の横にどかっと背を預けて座り込み、同じように手の中のマシンガンを消し去った。
「・・・・・・・・・そうだな」
「おー、珍しく素直」
ラグナの方に回り込む事無く、台座の端に寄ってラグナと同じように座り込んだ。
「・・・・・・・うるさい」
と、手の中にアイテムや召喚石を呼び出して装備の点検を始める。
「そういえばさぁ、スコール」
召喚石をカーバンクルからコヨコヨに取り換えようか、などと、己の世界に入り込みかけたスコールを現実に呼び戻す声。
のんびりしたそれに無言で返すのは、もうすっかり慣れたことだ。
ラグナもそれを承知であろう。
「この戦いって、何度も繰り返してるって本当か?」
「・・・・・・は?」
ぽつりと、まるで天気の話でもするかのようにかけられた言葉の意味に一瞬ついていけなかったスコールが、突拍子もない声を上げた。
それはいつもの呆れや苛立ちではない。
まさに『何を言っているんだこいつは』という意味だ。
「何だ、それは」
食いついた、という思惑ではないまま、世間話のようにラグナののんびりした声が秩序の聖域に続く。
未だ台座の上で眠り続ける彼女を挟んだまま。
「え~と、カオスの誰だっけ?が言ってた。この戦いは終わってもまた繰り返されるって」
意味不明だ。
しかし、ただそう切り捨てるわけにはいかない。
そもそもラグナはいったいどこでそんな話を聞いたのだ。
それにもし、その言葉の意味がそっくりそのまま取れるものなら。
そして、その意味が真実なら。
スコールの想像はどんどん深淵へと向かってゆく。
「ラグナ、何処でそんな情報を掴んだ?」
「・・・・思い出した。星の胎内だ。セフィロスだっけ、銀髪の長い奴、アレが皇帝サマと話してたのをちゃっかり聞いちまった」
(ちゃっかり?それはいいんだ)
「本当の事なのか?」
「へ?」
もう装備の変更に構う心の余裕がすっかりなくなってしまったスコールが、手の中のそれを消し去り、冷や汗の流れるままにイライラとラグナに突っかかる。
ラグナもスコールの異変に気付くが、それに構う気はないようだ。
のんびりと台座にもたれかかったままに、曇の多い、僅かに光の差し込む空を見つめている。
「だから!」
「・・・・・・わかんねぇよ」
「もし本当なら、俺達のやってる事は無意味ってことになるんだぞ!」
珍しく感情のまま叫んだスコール。
しかし、
「落ち着けスコール、プリッシュが起きる」
ようやく体を起こし、スコール側の方に顔を向ければ、彼はいつの間にか再び剣を手に戻し、そのままがばりと立ち上がった。
そこにはいつもの感情をセーブし、常に冷静であろうとする傭兵としての彼は存在しなかった。
まるで裏切られたかの様に怒りと悲しみに彩られた眼差しがラグナにはとても哀しく映る。
「ラグナ!アンタはいいのか?!」
「よくないよ」
翡翠の眼差しが静かにスコールを捉える。
いつもの二人とは思えないほどに行動が逆転している二人。
「うるさーい!やっとゆっくりできると思ったのに!」
「!?」
「プリッシュ?!」
緊迫した二人の間を無邪気な怒りに任せた叫び声が邪魔をした。
「せっかくシャントットのおばさんがいないから、ちょっとはサボりもありだろって昼寝してたら、何なんだお前ら!俺の邪魔しやがって!」
ぴょんとスコールの横に降り立ち、そのまま睨みつけるように振り向きながら、
「この戦いが繰り返されてるだぁ!?寝言は寝てから言えよ!それにカオスのあの連中だろ?ラグナに気付かずにへらへら会話するわけないだろ!どうせああやってコスモス軍に揺さぶりかけてやろうって魂胆見え見えじゃねぇか!スコールもそれぐらい見抜けよ!」
お前らよく一緒に戦いに出てるんだろ、と一気にまくし立てた後、眠っている間に軽く癖がついてしまった髪を手櫛で整え始める。
乱暴な言葉づかいの彼女だが、それは確かにスコールの冷静さを取り戻すにはよく効いた。
「さすがプリッシュ、俺もそう言おうと思ってたのにー」
てか、いつの間に起きたんだ?
のんびりした声音を貫いたまま反対側でパタパタと身なりを簡単に整えるプリッシュに軽く手を振れば。
「こいつの声で完全に起こされた。それまでちらちら声は聞こえてたけどな」
スコールを指さし、呆れたように目線を遣れば、すっかり先程までの緊張の解けたスコールがぽかんとした表情で突っ立っている。
「おい、スコール?」
「ああ、そうだな」
やっと帰ってきた言葉に本人もようやくいつもの己を取り戻したようだ。
「まーったく、意外と世話が焼けるなぁ」
と、プリッシュは改めて台座に腰掛け、
「そんな戯言とっとと忘れて休める時に休んどけよ」
と残し、今度は台座の端にもたれかけた。
「俺が見張っとく、そん替わり交代だからな」
「だってよ。先に休ませて貰おうぜ」
再び台座に持たれるラグナ。
・・・勝手な奴ばかりだ。
思わずそう思いながら、大人しく元の場所に腰掛け、
「敵が来たら起こしてくれ」
そう残して眠る体制に体を移すべく目を閉じたスコール。
「交代の時は声かけろよ、じゃ任したぜ」
ありがとな、とラグナも同じように休息を取り始める。
そうして。
遠くを見つめながらプリッシュはただ思った。
子供のようにふるまう大人と、意外と子供な獅子は、こんな真実、知らなくていい。
知るときは輪廻の鎖を断ち切る覚悟を決める時だと。

彼女は知っていた。
その時はそう遠くないと。


「スコールさんって優しいんですね」
隣で杖を大切そうに抱えた少女がそう言ってにっこり笑った。

「見張り、替わりますよ」
『夢の終わり』という、聞き様によっては何だか物騒な印象を受けるこの場は、常に夜の帳に包まれている。
中央の巨大な剣を模したオブジェに立ち、崩れ落ちそうな円周上の足場は「観客席」なのだと、コスモス軍の年長者であるジェクトがわずかな記憶を頼りに説明してくれた事を思い出す。
その巨大な剣を背もたれにし、カオスの連中やイミテーションの出現を待ち構えるかのように座り込んでから何時間経っただろうか。
気がつけば隣に一人の少女が立っていた。
彼女は「ユウナ」とい名で、自由自在に召喚獣を呼び出して戦うという、可憐な容姿の中に秘めた覚悟を持つ戦士の一人だ。
長いスカートのような服を両手で押さえながらちょこんと隣に腰掛け、
「おはようございます」
オッドアイの目がにっこりと笑みを形作る。
「・・・よく眠れたか」
「はい。おかげさまで」
視線をわずかに彼女に向ける。
この「任務」が始まったばかりの頃は、他の仲間から「スコールは怖い」だのと言われていた事も知っている。それは自分にとってある一面とても都合が良かった。そう思われていれば誰からも余計な干渉は受けなくて済むし、何より戦う上で動きやすい。
万が一裏切り者が出たとしても、一番にそいつに自分が粛清を浴びせればいいとさえ思っていた。
しかし、彼女は違っていた。
少し遠巻きに見ていたかと思えば、何の衒いも躊躇いすらなく自分に近づき、自然にアシストをしてくれた。
決して押し付けではないその行動に、仲間を思いやる自然な言葉にスコールは気がつけば無碍に彼女を追い払う事ができない自分に気がついた。
そして彼女の傍にはいつもジェクトが居た。どうやら同じ世界から来たらしい二人はまるで実の親子のように自然に支えあっていた。
今回の探索も勿論ジェクトが一緒に居る。
そしてラグナの4人でひずみを開放し、「夢の終わり」で休む事になったのだった。
「なら、いいんだ」
軽く頬杖をつき、胡坐をかいた姿勢にすると、
「ティーダとは会えないのかな」
珍しくも、彼女のどこか弱々しい声が「夢の終わり」に小さく落とされた。
あたりには「幻光虫」と呼ばれる、これもジェクトが教えてくれたほのかな光がまるで蛍のように浮かんでは消えてを繰り返している。
初めてみた自分ですら「綺麗だ」と自然に感じたこの場所は、どうやら二人にとって苦い意味を持つようだった。
「カオスの、あいつの事か?」
「はい」
膝を強く抱え、遠くを見つめるような視線はいつものユウナとは程遠い。
「ジェクトの子供らしいな」
ジェクトが以前、ティーダと戦ったときはその場にユウナは居なかった。深手を負い、確か別の仲間に「聖域」まで運ばれていた筈だ。
そして、そのティーダと言う名のカオス軍の戦士である青年はジェクトの事を『親父』と呼んでいた。たった一度、青い美しい剣をジェクトの心臓目掛けて斬りかけるその瞬間の、彼の悲しみに包まれたような声は、スコールの耳にとても深く印象に残っていた。
今から考えればずいぶん前となっていたその記憶を手繰り寄せながらスコールが確認する。
返事の代わりに深く頷き、
「ティーダは私のいた世界で、私をずっと守ってくれていたんです」
大切そうに、秘密を打ち明けるかのように彼女が言葉を繋げる。
「でも、どうしてカオス側に・・・。ティーダは破壊を望んだりする人じゃないんです」
スコールの頭に先程から手繰り寄せていた記憶にあったジェクトの言葉がよぎる。
『ティーダの奴、カオス側に来ちまいやがった』
怪我を仲間の治癒魔法で塞ぎつつも、深手による熱で朦朧としていたユウナにもそれは聞こえてしまった。テントの中で治療を受けていた為、表情こそ怪我と熱によるものとして一部の者にしか見られる事は無かったが、その顔色はとても青ざめていた。
過去の戦いで少しずつ記憶をその手に掴んでいた彼女にとって、『ティーダ』の存在はまさに希望だった。
彼の遺してくれたもの、一緒に旅をしている間ずっと自分を、その心を守ってくれた事。
その『希望』と敵同士になるとは思いも寄らなかった。
それでも仲間の前ではしゃんと己の足で立つ彼女に、本当は酷くジェクトが心配していた。
その一件以来、なお一層ジェクトが彼女を守るようになっていた。
まるで、ティーダの不在を埋めるかのように。
いつもまわりを思い、羽ばたき続ける彼女に少しでも立ち止まる事の出来る『止まり木』となれるように。
「ごめんなさい、変な事を言っちゃいましたね」
スコールの「任務」に対する厳格さを、この探索を通してひしひしと感じてきたユウナが立ち上がろうとする。
「構わない。大事な奴なんだろう」
今度こそまっすぐにユウナを灰色の混じった青い瞳が捉えた。
ジェクトの行動、ユウナの言葉。それらが持つ意味を感じ取り、言葉にこそしないその気持ちを眼差しに込める。
(なら信じていればいい)
粗雑だが優しいあの男の息子なら、きっと彼女の思いも伝わるだろう。
この「任務」で自然と浮かぶようになっていた『信頼』への希望を心の中で呟く。
その眼差しはとてもあたたかく力強い。
「・・・・・・はい」
自分を守るように取り出していた杖を抱えて、少しだけ水分の多いオッドアイが笑う。
心の襞を感じ取る事に長けているのだろう、彼女の声は小さくもあたたかく、強い決意に満ちていた。
「スコールさんって優しいんですね」
ふわりと乗せられた言葉に一瞬言葉をなくしてしまったスコールに、
「今、「ティーダを信じればいい」っていってくれた気がしました」
「・・・別に」
ぷいっと顔を背けるも、
「ありがとうございます」
わずかに腰を屈めて、座り込んでいるスコールに感謝の言葉をかけたところだった。
「おはょ~、スコール」
大きなあくびをしながらラグナがよたよたとやってきた。
「おはようございます」
「ああ」
と、
「ユウナちゃんもおはよー。ってあれ?ユウナちゃん見張りだったっけ?」
女の子に見張りさせるほど俺ら厳しかったっけ~。と能天気な表情を見せるラグナに、
「あ、スコールさん仮眠とって下さい。まだ出発まで少し時間ありますから」
「な~にやってんだ、お前ぇらは」
スコールと一緒に見張りをしていたジェクトが周りの哨戒から戻ってきた。
「と、おいラグナ。起きたんならスコールと見張り替われ」
どすどすと大股で三人に近づき、そのままどっかりと座りこみ、
「とりあえずあたりには何にもいねぇがな。時間的には夜明けまで少し時間がある」
傭兵っつても体力勝負だろ?休めるときに休んどけ。
スコールの頭を乱暴にぐしゃぐしゃとかき混ぜる姿に、ちくりと胸を刺す印象を受けつつも、
「そうですよ、私達で準備しますから」
いつもの自然な気遣いを見せる彼女に、
「・・・・・・・・解った」
すっかり崩れてしまった髪を直し、再び彼女を見ればいつもの様子にすっかり戻っていた。
「ラグナ、毛布寄越せ」
「おう、ついでに寝かしつけてやろうか」
「要らん!」
「ラグナ、お前いい加減スコールに甘えるな」
もう少しで夜が明ける。
彼女が『希望』を目指して戦う道の先に、幸せな結果が繋がる事を信じて。
いつもの自分らしくない甘い願いを胸に落として、スコールはわずかな時間を休息に使う事にした。
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橘 蘇芳
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