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期間限定「DFF」、「DdFF」、「FF8」妄想だだ漏れブログ。 の筈が「進撃の巨人」にも手を出した腐のブログ。 初めての方はカテゴリーの『first』をご覧下さい。
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「あーっ」
例えるなら一仕事終えた仕事人が思い切り背伸びをしながらついでに声も出ていました、といったところだろうか。
知らぬ間に現れ、気がつけばあちこちで見るようになり、次第に回数の増えてきたイミテーションとの戦いは、今日も自分たちに降りかかる。
愛用のマシンガンをその手から消し去り、思い切り背を伸ばしながら後ろを見やれば、擦り傷だらけのスコールが鬱陶しそうにこびり付いた自身の血を腕から拭っている。
「大丈夫か?」
声をかけつつ手持ちのアイテムを思い出し、それを思い浮かべて中空から取り出す。
「ああ」
その声は疲労を滲ませていたが、思いのほかしっかりと耳に届いたので、これ以上の心配はやめる事にする。目の前の少年と青年の間のような、その内ではまだ子供の影を取り去りきれていない彼は、思いのほかプライドが高い事をこの戦いの中で知ったから。
と、翠に近い蒼の小瓶のふたを開け、
「ほらよ」
容赦なく彼の頭に振り掛ければ、
「いきなりなんだ!」
その声とともにみるみる消え去っていく傷。
「勿体無いだろう!こんな傷で」
掠り傷ばかりを大量に作り、深くは無いもののあちこちを血に染めた体は見る暇もなく、戦う前の状態に戻ってしまった。
しかし、スコールの機嫌はそれとは見事に反比例している。だが、こんな彼を見るのも、不機嫌な彼をなだめるのももう慣れた。それくらい彼らは共にいるのだ。
他の仲間より長く。
「大丈夫だ、ほんのちょびっとだよ」
つい、と額にはしる傷を撫で、慈しむ様に唇を寄せる。
触れるだけのキスを額に残し、さっと体を離す。
ここまで接近と接触を許してくれるようになるのにはそんなに時間はかからなかった。
他人の愛情に飢えていることは容易に知れた。
後はどうやってそこにつけこむか。
今となってはあまりに容易い攻略だった。
遠回りより直接的な愛情を言葉と行動で示し、常にそばに居る事。
簡単に言えば行ったのはそれだけだ。
しいて言うなら後はたまに放っておく事。
それだけで今の状況がある。

踵を返して彼の気配に集中すれば、想像通りの行動を示す彼がいる。
きっと些細な怪我にポーションを使った事に対する言い訳を見事にはぐらかされた事と、今の状況にまだなれない自分に照れたり悔しかったり嬉しかったりしてるんだろう。
そうやって可愛いところを俺だけに見せてろよ。
そうしてる内はアシストもしてやるし、十分過保護なくらい守ってやるよ。
お前のプライドを傷つけないギリギリで。

「さーて、そろそろ行くか」
振り向けば案の定、未だ頬の赤い、傷のすっかり癒えた彼がいる。
「目的地はこっちか?」
「・・・違う、逆方向だ」
そう言って水を向ければやっと彼が歩き始めた。少しだけ俯き気味に、大股で。
こっちに気もくれずに自分を追い越し、どんどん歩いて離れていく黒い服の背中を見ながら、今日もマイペースな自分を見せる。
「可愛いなぁ、相変わらず」
ちょっとだけ急ぎ足のようにわざとらしく駆けながら、可愛い彼を追いかける。

もうしばらくは構ってやるよ。
だからいい子で俺だけに懐いてろ。
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