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期間限定「DFF」、「DdFF」、「FF8」妄想だだ漏れブログ。 の筈が「進撃の巨人」にも手を出した腐のブログ。 初めての方はカテゴリーの『first』をご覧下さい。
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この次元はいつも遠い宇宙を想起させる。
脳裏にふと浮かんで消えたそれを一瞬懐かしく感じ、自分らしくなくぺたりと地面に座り込む。
中央に浮かぶ巨大な岩の様なものを中心に、そこはほの暗く、淡い光に包まれた場所だった。
眩い星に視線を映せば急に背中にあたたかな重みが加わった。
「どうした?スコール」
硝煙の匂いがふわりと浮かび、自分よりも強い腕がきつく背中から伸ばされて抱きしめられる。
何故だろう、その腕を振りほどく気になれない。
それよりも深く心に満ちるのは、先程一瞬感じた懐かしさに隠された痛みだ。
「ラグナ」
この空は、この暗闇は、体中を包むような星の瞬きは、スコールの何かを暴くかのように心をざわめかせる。
「大丈夫か?」
「解らない。でもたぶん、俺はこの星空を知ってる気がする」
視線は空に向けたまま、絡められたラグナの腕に触れ、彼の袖を強く握る。
手の色が変わりそうなほどにきつく。
それに気づき、答える様になお強く抱きしめてくれるラグナに、すがるようにもたれ掛り、
「暗い星の中で、俺は手を伸ばしたんだ」
誰に?
どうして?
それが、解らない。
「スコール、それって」
「これ以上は思い出せない」
俯いてしまったと同時に一瞬にして腕の力が抜け落ちた。
「なら、それでいいんじゃねぇか」
この次元に来た瞬間、急に座り込んでしまったスコールに駆け寄った時、そして今、彼の背中がいつも以上に小さく見えた。
このままどこかに消えてしまうのではと焦ってしまう程に。
「ゆっくり思い出せばいい」
彼の耳元にそっと嘘を並べ立てる。
”思い出せ”なんて嘘だ。
さっきからスコールの声が、どこか遠く他人の様にラグナには届いていた。
まるで見知らぬ人の様に、哀しい思いをひた隠している大人の様に。
”さみしい”と声に出せずに一人で泣く子供の様に。
一体誰を追おうとした?
ラグナの腕の中のスコールは未だ抵抗も無く、その場所に留まっている。
小鳥が羽を休めるように。
ゆっくりとスコールが深くもたれてくる。その重みに任せたままラグナも座り直して空を見上げる。
スコールがそっと空を見、
「そうだな」
ラグナの片腕に再び手を伸ばし、頬を寄せる。
スコールの好きにさせたまま、
「珍しいのな、お前が甘えてくるの」
少しだけ茶化す様な色味を足してみる。
ラグナにとって今の状況はスキンシップとしては甘くてうれしい。
しかし、内情は苦くてたまらない。
一体誰がその心にすんでいるのか。
今は知る必要のない、それに深く興味をそそられてしまった。
スコールが自分を選ばないのは構わない。
しかし、彼にそのような顔をさせる相手がいる事が、ラグナにとって驚きであった。
だから、それを少しでも払拭させたかった。
この甘い状況ごと。
「たまにはいいだろ」
俺は単純だ。
ラグナは己をそう評価した。
彼は、今、自分を必要としてくれている。
なら、いいじゃないか。
誰が彼の心にすんでいても。
諦めるのは、まだ早い。
「じゃ、俺も甘える」
きつく抱きしめ直し、ふわりと唇を己のそれでかすめ取る。
今度こそ殴られるか、と少し思いつつ顔を上げ、スコールを見つめる。
その瞬間、ラグナは深く理解した。
彼の心を捉えていた何かが、誰かが解っても、きっと自分は彼を諦めきれない。
スコールが儚い程の眼差しで、ラグナを見て、微笑んだ。
この笑みが心にある限り、スコールを諦められないと。
この衝動を抱えてこの世界を生きるのだと。
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